ハチといえば、黄色と黒のコントラストに恐怖を覚えるという人も少なくないでしょう。
特にスズメバチのような明らかにヤバい奴がいる一方で、ミツバチのような可愛らしい存在の蜂がいるのも事実です(それでも部屋に入ってきたことを考えたら嫌だけど)。
そんな中、クマバチ(くまんばち)と呼ばれる蜂をご存知でしょうか?羽音といい、見た目といい、明らかにヤバい奴なんですけど、実はそんなにやばくないんですよね。
ヒトと一緒で、蜂も見た目で判断しちゃいかんぜよ!というわけで今回は、クマバチの特徴や生態について書いていきたいと思います。
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Contents
クマバチとは?
クマバチとは北海道~九州にかけて広く分布しているキムネクマバチを指すことが多く、黒い体に黄色い毛が生えていて、一見するとヤバそうに見える蜂のことです。
良く言えば見た目はずんぐりむっくりですが、体が非常に大きくて成人男性の親指くらいある個体も珍しくありません。
非常に大きな体をしているにも関わらず翅が小さいため、羽音の不気味な周波数は多くの人を凍り付かせるのに十分すぎると言っていいでしょう。
見た目的に黒くて大きいのでクマバチと呼ばれ、クマバチとは呼びにくいことから一部ではクマンバチと呼ばれています(ちなみにクマンバチと呼ぶ場合は、スズメバチを指す場合もあるなど地域性があるとのこと)。
クマバチは心優しき蜂である
見た目的に大きいのと、羽音がやばいのと、それからクマバチという名前がいかにも攻撃力が高そうでアレですが、実はクマバチは危ない蜂というわけではありません。
肉食のスズメバチとは違って花の蜜を吸うタイプの蜂ですし、その毒も見た目に反してそこまで強くないと言われています(ただしアナフィラキシーショックは別)。
一般的に怖いイメージを持たれている理由は、その見た目はもちろん、あとはスズメバチをクマンバチと呼ぶ文化があってゴチャゴチャになっているせいかもしれません。
ちなみに、みなしごハッチ(1970年頃に放送されていたテレビアニメ)ではクマバチがとんでもない悪役として登場するらしいので、その世代の人はクマバチを危険な存在と認識し、それを子供に伝えている可能性があります。
クマバチの雄と雌の見分け方
オスは針を持たず、ヒトを刺さない
クマバチに限らず、他の蜂や蚊などにも言えることですが、オスのクマバチは針を持たず、人を刺してくることはありません。
ホバリングして近付いてくるように感じるのも、一概に威嚇というわけではないです。もちろん縄張りを守るための行動である可能性もありますが、単に「メスのクマバチと思って近付いてきている」というケースもあるようですね。
花粉がある花はしっかり見分けるくせに、ヒトや鳥をクマバチのメスと勘違いするとは…。一体どんな世界が見えているのか、興味深くありませんか?
メスは刺すが毒性は極めて弱い
前項で「オスは刺さない」と書いた以上、メスは針を持っていて刺す可能性があるということになります。
しかし、元々クマバチ自体が温厚な蜂なので、危害を加えたりしない限りは刺されることはないようです。
巣に近付いたりすると危ないようですが、確かに「普通に暮らしててクマバチに刺された」なんて話は聞いたことがありませんね。
万が一刺されたとしても毒性は極めて弱く、刺された瞬間の痛みこそ強いようですが、刺された傷口が炎症を起こして腫れたりなどはほとんど無いようです(アナフィラキシーショックは注意)。
オスとメスの区別の仕方
クマバチのオスは、正面から見ると人間でいうところの鼻の位置が白くなっているので、正面から観察する機会さえあれば簡単に判別することが可能です。
また、ホバリングするのは基本的にオスのクマバチで、いわゆるナンパするために張り込んでいるような状態なので、巣の近くでもないのに積極的に近付いてくる場合はオスである可能性が高いと言っていいでしょう。
ちなみにコチラがメスです。
ちょっと横を向いててアレですが、クマバチのメスは正面から見ると顔が真っ黒なので、こちらも正面から観察できる機会さえあれば判別が容易だと言えます。
ゾクゾクするクマバチの動画
(この動画は1:41秒で見れます)
たまに「絶対的に安全な場所から虫を観察したい」という衝動に駆られるのですが、クマバチに関する動画で非常に面白いと思っているのがコチラです。
見ていただけたら分かりますが、クマバチの羽音がハンパ無い!そして針がないとはいえ、お尻を突き出してくる姿は怖い!
ちょっとゾクゾクしてしまう動画ですが、変な部分でクセになるような魅力のある動画だと思います。
まとめ
クマバチは見た目に反して温厚な蜂である
みなさんの周りにも「見た目が怖いだけで、中身はすごく優しい人」っていませんか?
たぶんクマバチってそういう存在だと思います。
決して人間に危害を加えるような存在ではないのに、アニメではあたかも狂暴な感じに仕立て上げられ、名前は名前でクマバチなんて名前を付けられ…風評被害もいいところです。
みなさんがもし外を歩いていてクマバチを見かけることがあったら、大声を上げてクマバチを驚かせたりしないようにしましょう。